ハスとスイレンの違い
2022/07/17 - その他
北岸管理棟の前で育てているハスとスイレンが今年も花を咲かせています。
ハスもスイレンも同じように池や水鉢などの水中で育つ水生植物で、どちらも夏が開花時期です。
ハスの花は(例外もあるかもしれませんが)4日間開花します。一日目は少し開くだけ午後には閉じてしまいます。
この時が一番香りが強いので、もし見かけたら是非かいでみてください。
二日目三日目と大きく開いて午後に閉じるを繰り返して
4日目に散ります。
昼咲きスイレンも同じように朝開いて夕方閉じて一つの花が3日間ほど咲きます。
写真を見比べると花だけでもハスとスイレンでは随分雰囲気が違うと思います。
ハスは水面から高く立ち上がって咲きますが、スイレンは水面ぎりぎりに咲きます。
(熱帯スイレンは、ハスより低いですが花が立ち上がる物が多いです)
ハスの花の中心にはいわゆる「ハスの実」がありますがスイレンにはありません。
花の終わり方にも違いがあります。ハスは最後に花弁がすべて散りますが、スイレンは花が閉じたままひらかなくなります。
葉っぱもよく見ると全然違います。
ハスの葉は水面に浮かぶ「浮葉」と水面から立ち上がる「立葉」の2種類があり、
大型の品種の「立葉」は高さ1メートル以上にもなります。
形は丸く、最大の特徴は「水をはじく」こと。
表面にワックスのような成分でできた極小の突起が無数にあり、これによって水が表面に広がらず水滴のまま葉っぱの上を滑り落ちていきます。
このことをロータス効果といい、ヨーグルトのフタなど身近なところに応用されたりしています。
ここまで書いて、ふと「油ははじくのか?」という疑問が浮かんだので実験してみました。
結果は
まったく弾かずしみ込んでしまいました。残念。
次に、スイレンの葉は
花と同じように水面から少し立ち上がる程度です。水面に浮かぶものもあります。
大きな切れ込みがあり、ハスと違って水をはじきません。
放っておくと水面が見えなくなるくらいに増えますが、スイレンは株元に日光が当たらないと花が咲かないので、増えすぎた葉は付け根から切り取り日当たりを確保します。
最後に、普段あまり目にすることは無い「根」の部分。
毎年春に植替えをするのですが、残念ながら写真を撮っていませんでした。
簡単に言うと
ハスの根→「レンコン」
スイレンの根→「ワサビのようなもの」
根はぜんぜん似てないんですよ。まったく別物です。
とはいえ、栽培にあたっての用土や植え付け方法、日常の管理の仕方などは、ハスもスイレンもほとんど同じ。
・桜が咲くころに新しい土に植替え
・月に一度くらい化成肥料を土に埋め込む
・花が終わったら花ガラを取る、(スイレンは増えすぎた葉を間引く)
・水が減ったら足す
これだけで毎年きれいな花が咲きます。
どちらも暑さにたいへん強く、水鉢に水を足すだけなので頻繁に水やりをする必要もありません。
育てやすくて涼しげで、夏にぴったりの植物だと思います。
北岸管理棟前のハスは「小舞妃」、スイレンは「マンカラウボン(温帯スイレン)」という品種です。
どちらも蕾がいくつかついているので、当分は花が楽しめそうです。
近くを通ったらぜひ見比べてみてください。